不動産クラスタの年に1度のお祭りであるクソ物件オブザイヤーがロシアによるウクライナ侵攻の余波を受けて開催の危機に瀕していた事は皆さんも周知の事実ですが、円安の影響を受け、血走った目で「チャイナマネーや！チャイナマネーが来るど！」と不動産を買い漁る全宅ツイのグルによる各所への根回し、袖の下、脅しその他あらゆる法の網をかいくぐった非暴力運動が功を奏し、なんとか開催までこぎつけたことをお喜び申し上げます。

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さて、僕は父親から「不動産クラスタと株クラスタは人間を辞めた連中や。あんなもんはカネという蜜にタカるアリンコみたいなもんや」という薫陶を受けて育ちました。

僕は差別や偏見が大嫌いな人間ですので、そんな父親に拳を振りあげて抗議しようと思ったのですが、「あ、確かにそうだわ」とすんなり受け入れた事を覚えています。

そういう経緯もあって「不労所得」という単語に敏感に反応し、「ケッ、湾岸マンション暴落しやがれ！」とか「酒チャンス放火されろ！」とか、「クソ物件オブザイヤー？それって不労所得で優雅に暮らす神々の遊びみたいなもんでしょ？」などなど、勝手な被害者意識を持って不動産クラスタの方々を見ていた事は事実なのですが、実際に開催されたクソ物件の祭典を覗いてみると、店子の夜逃げに泣き崩れるオーナー、隣人が電波で家庭崩壊寸前の家族など、ニッコリ、ホッコリするエピソードの連発で思わず僕も笑顔になってしまいました。

つまり、このクソ物件オブザイヤーは僕のような「不労所得」「地主」「不動産」といった単語に敏感に反応する、嫉妬深い人間のガス抜きのためにあるのかもしれません。実に立派なことだと思います。それでは最後に、「なんか言ってそうで結局何も言ってないのに、響きがカッコいいからみんなが言いたがる言葉」で締めくくらせて頂ければと思います。

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クソ物件を覗くとき、クソ物件もまたお前を覗いているのだ。